帝王切開は立派なお産
10:20予定の手術。
娘と母が一時間前に面会に来てくれた。
娘はまた二歳だから待ってるの、大変だよね。
なかなか呼ばれず10時30分に呼ばれるとアレヨアレヨと歩いて手術室へ。
手術室へ行く前に娘にシルバニアファミリーのオモチャを渡して
ママ赤ちゃんを産んで帰ってくるからねと言って手術室へ向かった
手術着に着替えている時から震えが止まらない。冷たいスリッパを履いて歩いて部屋に入る。
予想より小さなベット。
助産師さんの手を握りしめていた。
すぐに準備が始まる。
手術台に登った。
妹の言葉が浮かぶ。何かの漫画か本に書いてあったみたいだけど
自ら望んで、自分の病気を治すためじゃなく手術台へ上がるのは帝王切開のお母さんだけだって
裸になって横になるとまず抗生剤?の点滴
これが何回もしっぱいする。点滴でこんな失敗してて大丈夫なのかなって一気に不安になる。
やっと血管に当たると次はいよいよ麻酔。
背中全体に冷たい消毒、2回。
それから背中を丸めて麻酔の先生に背中をだす。
エビみたいに!と言われたけど、私は臨月の妊婦。スイカを抱えたような格好だろうなーなんて考えていた。
真ん中らへんにチクリ。
もう少し下にチクリ
真ん中らへんの注射したところに何やらモソモソグッグッと入ってくる。
チューブを入れると言われた。体の中に何か入る違和感。うーんうーんとうなってしまう。
いよいよ下半身の麻酔。これは全く痛くない。気持ち悪くならないように意識して深い呼吸をする。
上を向けられる時にはもうじんわりと足の方からあったかくなりすぐにぴりぴりと感じて麻酔科の先生が保冷剤を当てて冷たいか検査する。冷たくないのが胸のあたりまでくると尿の管を入れ、目の前に目隠しのカーテンがかけられお腹全体にバサっとシートがかけられた。
助産師さんが見ながら中継してくれる。
そこからは早かった!
ググーっとおなかの皮膚が引っ張られるような感覚。グイグイと内臓が引っ張られる感覚。
助産師さんはもうすぐ出るよ〜っていう。
本当にそこからすぐに
少し押さえますよ、赤ちゃん取り出します
と言われ3人くらいに体を押さえられたらでて来た赤ちゃん。
ズルズルーっと何か吸われるとニャー!っていう高い声。
おめでとうございます!ってみんなが言ってくれると、じわーっと涙が出た。
新しい家族。今日から私は二児の母。
それと同時にもう妊娠は望んでいないから最後の体験。最後の赤ちゃん。
とにかくありがとう。38歳になって子を授かったこと、元気に今産まれたこと。私も息子も百点満点!
鼻から羊水を吸われて背中をさすららて、ニャーッニャーッと泣いている。
初めてのカンガルーケア
あったかくて湯気が出てそうなホヤホヤの赤ちゃん。私の胸の上で目を開けて見ていた。
可愛いね、ほっぺたを触る。柔らかい。
よく頑張ったね10ヶ月。みんなで頑張った。
お姉ちゃんは抱っこもおんぶも我慢した、つわりの時は遊んであげられなかった、皆んなの赤ちゃん。それが家族。
そんなことしてる間にも先生はサッサと処理をしている。
胎盤を見せてください
というとビニールに入った胎盤を触らせてくれた。
あったかい胎盤。小豆色のどっしりとした丸いもの。息子と私をつないでたもの。
そう思うと気持ち悪さは無かった。むしろ連れて帰りたいような。。。
胎盤も頑張ってくれた。
そして何より頑張ったのは私の子宮。
ありがとう。
いつもはピンポン球くらいの子宮は赤ちゃんを授かり40倍の大きさまで伸びると聞いた。
毎日毎日少しずつ大きくなって
また今日から小さくなって。
おつかれさま。
それから少しぼんやりする薬を点滴されて
手術室を出ると娘がいた。
ままーあかちゃんかわいいねー、まま、泣いてるの
ぼんやりと聞こえてきた。
最後の出産。思い出いっぱいありがとう
今日からまた新しい人生!